当院はずっと紙カルテを使ってきましたが、産科の紙カルテは非常に1冊が厚くなります。診療情報含め、それに伴う色々と必要な手続き上の書類、院内での患者様アンケート・同意書等色々あります。
ひとつの分娩・妊娠が始まり、そして分娩が終了して退院までにはとても厚いカルテになります。
当院では、そのお産の時の分娩カルテは、外来カルテとは別に保管する形になっていました。外来に来ると薄いカルテにはなりますが、それだけでは妊娠中あるいは分娩の情報は入りません。倉庫やカルテ庫に取りに行く事があり、カルテや診療情報が一元化出来てませんでしたが、電子化する事で情報が全て一つのファイルに入れる事ができ情報量を心配する事なく管理でき非常に良かったと思います。
当院は以前は小さなクリニックで、外来診療の場所とその隣に分娩室があり、患者さんのモニターなども隣にある。また、ナースステーションも近く、受付事務の計算する場所も隣にあって、非常にコンパクトに作られていていたので、紙カルテは、その狭い所をグルグル回っていれば良かった訳ですが、移転し規模が大きくなると、それだけひとつひとつの部門の距離が長くなってきます。
もし紙カルテのままであれば、1階にある場合は2階の人は見れない制限があった訳ですが、電子カルテにすると端末さえ置いておけばどこの場所でも同時にカルテ参照ができ、その点で空間的なギャップが克服できます。特に規模が大きくなってきた場合、欠かせないと思います。
更に、カルテビュー機能があり、医師が診療上のディシジョンをメイキングする際に医師が必要とする情報、あるいは、助産師が必要とする情報が、画面上に一覧として表示され、処方状態であるとか、過去オーダ情報・診断名・SOAPの診療情報、患者様の今までの既往歴・アレルギーや禁忌情報、また、メモ入力欄があり、重要で忘れてはならない項目を一覧の形で表示する事ができ、しかも診療者毎にパーソナライズ可能で、必要と思った情報を並べていけます。
あたかも飛行機のコックピット上で機長が色んな情報を見るが如く、医師も色んな情報を一覧として判断しながら、あるいは助産師が判断しながら、正しい診療を進める機能があり、これは電子カルテならではの機能だと思いますので、その点もすばらしいと思います。
平成25年 6月
電子カルテ
医事会計システム 稼働
平成26年 7月
クリニカルパスシステム 稼働
当院では病院全体でカルテに関わる多数多職が、全員参加した形で進めることが大事だと思ったのです。
トップダウンでこれでやりなさいというやり方ではなく、助産師・看護師や医療事務の方たちが、それぞれの形がそれぞれの関わり方でこの電子カルテを使う訳ですから、そういう方々が参加して導入に向けて一緒に考えるっていうのが大事かと思います。
更に一番大事だと思うのは、信頼できる業者としっかりタッグを組みお互いの情報をいつも交換しながらきめ細かく対応して頂く業者の方々とチームを作れるという事がとても大事だと思います。特にクリニックでは重要な事ではないかと思います。
大事なのは医事会計システムです。医事会計との連携がとても大事だと思いました。そこがスムーズに連携でき、そして更に医療法人会計システムとスムーズに連携できる。その互換性が良い事が非常に重要な事ではないかと思いました。
最終ゴールは、電子カルテで入力した情報が医事会計に正しく反映され、そしてシ-ムレスに医療法人会計にスムーズに連携し、そして医療法人会計に反映されていく流れを分析したことでまた診療にフィードバックする。
医療情報の入力部門から最終的に医療法人会計に至るまでの流れが非常にスムーズにいくことが、最終的なゴールだと思っていました。
助産師として外来では助産師妊婦健診、助産師外来でこのシステムを使っています。
産科に特化し色々な機能があるので、とても使いやすく診療にも役立ってますし、とても効率的な診療になったと考えています。
病棟ではパルトグラム、産科の情報など、色々と産科に特化した項目を記載することが多いので、システム的にもフレキシブルに対応して頂きとても助かっています。
もう一年になりますけれども、使用して随分慣れこんなに使いこなせるとは自分でも思っていなかったので、とても良かったと考えています。
※記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。あらかじめご了承ください。